2011.07 読了本

父として考える」東 浩紀・宮台 真司(著)

昨夏に出た本で対談はさらにそれよりも前のため、今の社会事情で同じ意見かは分からないが、子育てをテーマに、教育や日本社会のあり方、問題点へと展開していく。表題通り「父として」考えた結果か元々の思想がベースかどうかは分からないが、父になって少し変わってきた(かもしれない)二人の考え方がうまくまとまっていたように思う。が、結局宮台真司氏がまとめた「あとがき」を読めば本書についての要点は出ているようにも思う。ちなみに読みながら気になったキーワードや文書があったらページの隅を折っていたが、自分が折った箇所が10箇所以上、読み手によっては気になるポイントは増えるかもしれない。対談本の編集でさらっと読めるので、普段新書を手に取らない人なんかが読むには気軽で良いかと。

成金」堀江 貴文(著)

前作「拝金」に続くホリエモンの小説2作目。前作同様やはり短い時間でさらっと読める。自分は空港で購入後、飛行機の待ち時間と移動時間で読み終わった。特定の時代(WEBと携帯が日本で普及してきた90年代後半)に、それらに興味があって、今なお興味がある人にとって面白い内容だと思う。「拝金」でもそうだったけど、著者に対して嫌悪感が少しでもある人にとっては読まない方が良いかな。逆なら問題ない。

ジョーカー・ゲーム」柳 広司(著)

上記同様、移動時用。ハードカバーのときから多くの本屋ではプッシュされていたように記憶している。「天才スパイ集団」というなんとも男の子が好きそうな設定での短篇集。時代設定は現代ではなく昭和前半。とはいえ細部まで設定が忠実なわけではないが。伊坂幸太郎の「死神の精度」とかと同じような短編の設計に感じるので、伊坂好きで”男の子”なら楽しめるかもしれない。ただ本屋がプッシュするほど、何か残るような作品でないけどね。むしろ内容が軽くてそこがいいんじゃないかと。

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2011.01 読了本

海堂尊

ジェネラル・ルージュの凱旋」海堂 尊(著)
イノセント・ゲリラの祝祭」海堂 尊(著)
アリアドネの弾丸」海堂 尊(著)
ジェネラル・ルージュの伝説」海堂 尊(著)
ブレイズメス1990」海堂 尊(著)

怒濤の勢いで海堂尊の作品を読みあさってみた。医療系というのかミステリーというのかどのジャンルにはめて欲しいのかが相変わらず分からない。もともと映像化をイメージして作品を書いているんだろうな、と思っていた作家だが、このあたりも良くも悪くも相変わらず。ただ「バチスタ」の一発屋になっていないのは確かなのかな、と。何よりシリーズ作品を長く続けるためによく研究していると思う。 (more…)

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2010.12 読了本

立川談春 赤めだか

赤めだか」 立川 談春(著)

今年最後に今年一と思えた一冊。発売は08年なので今更という感じもあるかもしれないが。立川談春の話のようだが、立川談春を通して見た立川談志の話。本の中盤に高田文夫氏が「お前等売れたら談志師匠のエピソードで本出せるぞ。」というシーンがあるが、具現化したのがこの本なのかもしれない。何よりも面白い噺家が書いた文が面白くないわけがない。

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2010.10 読了本

嫌われることを恐れない突破力!」勝間和代/堀江貴文 (田原総一朗 責任編集)

勝間氏、堀江氏、田原氏の三者での対談本。三者とも好き嫌いが分かれる人たち。ただ、誰かに好感を持っているなら手に取ってもいいと思う一冊。ただ、全編通して言えることだけれど「勝間氏や堀江氏だからそう言えるのだよ!」という見方をしてしまうと思うなら読まない方がいいと思う。大きさに関係なく目標を持つこと、夢を持つことの大切さを結論にすべく進めていく対談のため、そういう見方をすると全く用を無さなくなる。固定概念なしに読むとなかなか面白い。
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楽天Magazine

家に送られてくる「楽天Magazine」が回を追うごとに内容が良くなってきている。フリーマガジンとして始まった頃は微妙だったけど、いかに効果的に物を売るところまで繋げるか、という点でよく研究されている。ある意味、楽天自身が紙媒体でアフィリエイトをやってる感じ。内容は、そのままウェブ上で見ることが出来るので、アフィリエイトの勉強がてら見てみるのもありかと。

「楽天Magazine」スペシャルサイト

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Hanako No.966

[No.966 2010/3/11号]なので今さらなんだけど、出てすぐ買ってその翌週くらいにさぁ読もう、としたときに何故か家の中で行方不明になって、それから今日まで発見出来なかった。だけど、遊びスポット探さないと!ていう思いが発見に導いてくれた。というと言い過ぎだけど。やっと見つかったのは事実。

この号、上田・松本とか茅ヶ崎、那須、佐原、桐生などいろんな地域、でも主流じゃない地域、を見事に拾ってる。実際に訪れるとそこまでオシャレじゃないかもしれないけど、かなりオシャレ感たっぷりな店とかが沢山載ってる。もう少し涼しくなったら順番に行ってみようと思ってる。「春のおでかけ」が「秋のおでかけ」になってしまうが。もしくは「冬」に。

しかし、ここまで惹かれるページが多いのはやはり写真。清水奈緒さんの撮る写真がとにかく綺麗。少しだけ飛ばした感じでスローな空気の演出が絶妙。清水さんが写真を担当された書籍の一つ「三都建築散歩―大阪、京都、神戸」なんかはまた少し違った感じで、こちらもいい。4、5年あればテクニックも感性も変化はあるけどね。個人的に最近結構好きな写真家さんの一人。

Hanakoと言えばこれの次の[No.967 2010/3/25]の吉祥寺特集も良かった。Hanakoはついつい手にとってしまう数少ない雑誌。

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意外に自信がない「宇宙」を復習

子供向けに買った「はじめてのうちゅうえほん」という本がとても良い出来。ものすごいシンプルに、とても分かりやすく、キレイなイラストで構成されている。何より大人が読んでも全然面白い。小学校とかで習った割と身近な範囲での宇宙の知識って実は自信がない。人の話を聞いていると、そうだね(そうだったね)って感じでも、これ何?て聞かれると自信を持って答えられない。そういうところを学び直す意味でも、大人にこそ読んで欲しい一冊。「はじめての〜」シリーズは他にも日本地図や国旗など色々あるから図鑑気分で揃えてみようかな、と思っている。


「はじめてのうちゅうえほん」

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iPhone Explorer + iComic

裁断機とScanSnapを使った”自炊”や、ゴニョゴニョした書籍データ(.jpgをまとめた.zipファイルとか)をiPhoneで読むためにiComicを入れた。で、iComicにどうやってデータを移すか。一般的なWifi環境でFTPするのもなんか面倒だなと思って調べたところ、iPhone Explorerでダイレクトにデータを移せることが分かった。

やり方も全然簡単で、母艦とiPhoneを繋いでいる状態でiPhone Explorerを起動し、「Photos」フォルダ下に「iComic」フォルダを作成し、そのフォルダの中にデータをドラッグするだけ。あとはiComicを起動すると普通にファイルが表示され、読む事が出来るようになった。暫く楽しめそう。

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タニタの社食メニュー

適当なレコーディングダイエットが確実に効果を発揮したけど、ここにきて減らなくなってきた。初めて2ヶ月、自分でも少しだれている感じがあるのも事実。だいたいダイエットは一定期間経ったタイミングでマンネリ化するもの。ここからは献立に工夫も必要かも、というときにこの本を買った。

体脂肪計で有名なタニタ社の社員食堂のメニューが低カロリーなのは有名だけど、まさにそれが1冊にまとまっている。だいたい500kcal前後がほとんど。ごはんまで食べてこのカロリーに抑えるのはかなり難しい。なので30種以上の献立はとても参考になる。全般的にあまり細かいことは書いていない。最初の方に簡単に油分や塩分をカットするコツがまとめられている。あとはキレイな写真とそのカロリー、材料と作り方が載っているだけ。

例えば写真の「バーベキューチキン定食」は、バーベキューチキン161kcal、だいこんとツナの炒め物42kcal、ほうれん草のおひたし16kcal、トマトのみそ汁29kcal、ごはん160kcalで計408kcalという具合。カロリー値から見ても全体的に量も控えているかな、という感じだけど、たくさん噛むことで満腹感を生むことを押しているので、これで十分な量なんだろう。ごはんが100gで計算されているので、まぁ少ないだろうね。少ないことを意識しないように小さい茶碗の方がいいかも、てくらい。

それより最後に数ページある「裏メニュー」が気に入った。これ、一人暮らしには特に最適なんじゃないかな、ていう献立が並んでるでやんす。いいっす。おすすめ。

本気のダイエット目的のレシピ本としてではなく、おしゃれ狙いの献立本として見てもいいんじゃないかな。ケンタロウ本みたいな感じで。


「体脂肪計タニタの社員食堂 500kcalのまんぷく定食」

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2010.06 読了本

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拝金」 堀江貴文 (著)
堀江貴文の小説デビュー作。自身が歩んできた道を少しずつ取り込み、そこに架空の人物を追加していく感じなので、非常に読みやすい。背景をいくらか知っているから、場面をそこまで想像しないでいい。というのにプラスして文体やそもそもの文量も多くないことなどから、買った日に読み終わってしまった。あちこちのレビューでも「スピード感があって一気に読んじゃいました」というのが目立つのはそういうことだろうと思う。堀江貴文という人やあの頃の一連の事件を知らずにこの本を「1冊の小説」として手に取った場合の感想で言うと対した事はない。それは当然で初めて書いた小説がそんな完成度高かったら、プロ小説家はどうすんだよ、てことだと思う。逆にデビュー作として考えたら、十分面白いと思う。本を読む習慣があまりなく、かつ堀江貴文に嫌悪感がない人は楽しめると思う。
読み終わって数日したときにApp Storeにアプリ版が出たのが、予想通りというか残念というか。電子書籍くらいがちょうどいいかもしれない。500円弱安いし。
[App Store] 拝金

クォンタム・ファミリーズ」 東浩紀 (著)
読み終わったのは今月だけど、6月分で。発売は昨年末。先日、新潮社の三島由紀夫賞を取った作品。著者のTweetみてると授賞式に関して一悶着あった感じだけど、まぁそもそもこの賞自体が知名度が低いし。文壇てそんなもんだろうと思ったのが本音。三島賞と山本周五郎賞で、直木賞・芥川賞に対抗しているわけだが、知名度の差があり過ぎ。受賞作が受賞後バカ売れするわけでもないし。大きな賞をとる作品は内容は一定レベル以上はともかく、プラスαの利権が絡んでいるように思ってる。なので、実はそこまで期待はしてなかった。(むしろ廃盤になる前にとりあえず買っておこう的な)
でも、面白かった。「1Q84」同様、最近多い並行世界ネタ。注意して読まないとどの世界か分からなくなりかねない。「1Q84」より専門的っぽい単語が多いし、ネット世界の流れをある程度知っていないとやはり抵抗があるかもしれない。家族の繋がりがテーマのベースにあるのだけど、その世界観を表現するために散りばめられた情報に興味がいった。個人的にはTwitterなんかでもおなじみのbot。botが増大した世界を想像するとやはりそれは情報の正確さに影響する。それを巧みに表現しているのが素晴しい。
が、小説としてみた場合。いくつか残念だな、と思う点があったのも確か。特に人物描写や人物そのもののキャラクター設定。そこがメインの小説なだけに少し損をしている。人の名前に難しい漢字を使っていない。読みも難しくない。だけど一般的でない。ゆえに読みにくく、流れを邪魔している。そういうところがいくつかある。
なんだけど、今のところ今年読んだ中で一番面白かった。

死神の精度」 伊坂幸太郎 (著)
伊坂幸太郎の代表作?と思っているんだけど、App Storeを徘徊していたらアプリになっていたから電子書籍も物は試し、買ってみた。Appで買うと、450円なので文庫の550円より100円安い。で、これが意外に読みやすいし、不都合な感じが全くなかった。あぁ、こうして紙媒体はなくなっていくんだな、と初めて感じたのがこれ。
作品はとても面白い。一気に読めるし、読んだあとにモヤモヤすることもない。明確に最後まで書ききって欲しいとか望んじゃう人はモヤっとするのかな?そんなに書ききっている小説なんて最近ないと思うけどね。伊坂幸太郎がここにきてトップ小説家に登りつつあるのはやっぱり確かかも。万人が抵抗なく読める、これが重要なんだと思う。東野しかり、宮部しかり。
まぁ、しかし紙媒体より電子書籍の方が物質的な存在感がないから、面白くなかったら読むのを止めてしまうんだろうな、というシビアな感じもある。直接過ぎて作家泣かせと感じる時代になったのかも。反面、自費出版の敷居は下がり、売れなくなった本が再び売れる、という利点もあるので、どっちもどっちかな。アメリカとは本を読む場所、時間が圧倒的に異なる日本で電子書籍がどうなるか、そこは注目。いずれにせよ、そこらへんはまた別の機会にまとめるとして、電子書籍デビューに最適なので未経験者は試してみたらどうかな。
[App Store] 死神の精度

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