ここ暫くの間、あるトルクスネジと戦っていました。トルクス(もしくはヘックスローブ)て何?と聞かれても正確に説明できないのでググってもらうとして。ざっくり言うとネジの形状が一般的なプラスとかマイナスという形状ではなくこんな形(下図参照)をしているネジ。

さて何があったかと言うと、1週間前にこのネジを使ってサーバラックに固定していたあるネットワーク機器のメンテナンス作業を行いました。しかしメンテナンス終了後に起動したら機器が起動しなくなるトラブルに見舞われたわけです。この機器は冗長構成を取っていたので、もう1台が正常に機能を提供することでシステム自体には影響は出なかったわけですが、ハードウェア保守で代替機をメーカーさんが持ってきてくれていざ交換します、となったときに「1つだけネジ穴が潰れていて外せません!」と。

見てみると確かにネジ穴がやられている。山がない(上が正常、下が対象)。数年前に機器を導入したSIerさんが作業したときにやっちゃったんだろうけど、今更言っても始まらない。メーカーさんと手分けしてあの手この手で夜中まで頑張ったけど、ピクリともネジは動かず。一般的なハードウェアの保守なので故障機は代替機と交換して持ち帰るのが基本のはずだが、メーカーさん「故障機置いていくのでネジが外れたら送ってください、でも早急に頼みます」と(諦めと同情を含み)言い残して離脱。というわけで後は自分たちだけで挑むことになり、策を練って今夜リベンジしてきたわけ。

用意したのはこんな感じ。KTCのペンチとトルクスドライバー、ANEXのネジすべり止め液、そしてネジザウルス。ペンチは全然お話にならなかったので速攻で諦め、家庭で実績ありのネジすべり止め液をたらして、トルクスドライバーを差し込んでみた。しかしここまで山が無いネジともなると全くダメ。それどころか最後のひっかかりを潰したように思う。とどめをさした。だが、想定の範囲。我々の本命はこいつではない。

ネジザウルス

そう先の先までギザギザの付いているネジザウルスだ。ちょうど機器がダメになる直前に行った世田谷ベース展でも手に取ってみたあのネジザウルス。そのときは、

欲しかったけれど、全然必要なシーンが思いつかない

なんて感想をここに書いているけど、僅かその数日後に、買っとけば良かったと後悔することになるとは思うはずもなく。そんなネジザウルスをメンバーに教えたら、東急ハンズでも取り扱っているらしく買ってきてくれた。モデルはネジのサイズを考慮し、ネジザウルスXP(PZ-56)。これでリベンジ。しかしネジは全く動かない。こいつでもダメなのかー。

半ば諦めかけたとき、急にスッと力が抜けるようにネジがクククっと回りだした。きたこれ。すごい。すごいよネジザウルス。この大一番でやってくれた。データセンター内で歓喜の声出してしまったよ。結構大変だったけどこの達成感も久々。良かった良かった。とりあえずネジと近い距離で仕事をしているSEは1つ持っているといいと思う。チャンスは少ないけれど、そのときがきたら間違いなくヒーローになれるので是非是非。現場で使って初めてその実力を理解しました。こいつはやります。




Similar Posts (Posts or dissimilar):関連するようなしないようなエントリの抜粋