東京ステーションギャラリーで開催中(1/5まで)の「生誕100年! 植田正治のつくりかた」に行ってきた。年の暮れとはいえまだ仕事納めには早い日付の昼間、思っていたより入っていたが、それでもゆっくり見ることが出来る程度には空いていてちょうど良し。

展示については、もうとにかく良かった。この一言に尽きる。最近こそ減ったものの写真展にはときどき足を運ぶけれど、その中においても、この展示はかなり良くて、感覚的には良い映画を観た帰り道とかの高揚した感じに近い感覚で帰路につけた。展示の終盤にさしかかったときにこのギャラリーを出たくないなーて思ったのは初めてかも。

展示されている写真の多くは見たことがあるものだったが、その展示の流れや見せ方がピッタリはまっていた。東京ステーションギャラリー自体初めて来たけど、建物自体文化財ということで、その組み合わせというのも良い方向に繋がってたかも。

見せ方という点では「童歴」の展示スペース内の一角に設けたプロジェクタを設置した小さな部屋でスキャンした「童歴」を実際にめくっていく流れで投影していた部屋は良かった。単体として近くの壁に展示されていた写真たちが、一冊の写真集におさまったときにどういうページの流れやレイアウトになっていたかが分かるのは素晴らしい。写真集の中での流れやレイアウトにも拘っていただろうから、それが感じられる展示だったため何分も見入ってしまった。気が付いたら小部屋は同じような人たちで一杯になっていた。この空間にもっていかれたのかもしれないなー。

それと一番最後の展示、2000年に亡くなった少し前に撮ったポジの初展示。最後まで植田正治は植田正治だったんだな、と。

全体的にモノクロのうまさと凄さを再認識した。この影の使い方とか逆光のさばき方とか。勉強になるというか刺激になるというか。学生時代(もう10年以上前か・・・)に大学の暗室にこもっていたことを思い出した。またあんな感じで写真に夢中になりたいなー。

今回の写真展は見ている途中で「図録買って帰ろうかな」て思い、迷いなく買ってしまった。もう一度ゆっくり堪能しようと思う。そして何より写真が撮りたくて仕方ない感じにさせられた。昔のように気になった空間を撮りまくっていこうかね。


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