柳田稔法相が辞任(というか更迭)したこと自体はタイミングや叩かれ方から考えると仕方がない。叩かれるネタを提供した本人のミスとしか言い様がない。民主政権には最初から期待していないし、柳田氏の肩を持つ気もさらさらないのだが、今回の一連のニュースでは例の2文ばかりが取り上げられていて、発言の全文があまり報道されていないのはフェアではない。本人は今朝の時点までは辞任する気がなかったらしいが、本人としては、発言を全文で見てもらえるとそこまで問題があるわけではない、そこをちゃんと見て判断してもらいたい、というのが本音だからなのではないかと思う。なかなか見当たらなかったが、共同通信の記事より拝借。

柳田稔法相が14日に広島市で開いた国政報告会での発言要旨は次の通り。

 法相はいいですね。(国会答弁では)二つ覚えておけばいいんですから。「個別の事案についてはお答えを差し控えます」。これはいい文句ですよ。これがいいんです。分からなかったらこれを言う。だいぶ(この答弁で)切り抜けてまいりましたけど、実際の話、しゃべれない。あとは「法と証拠に基づいて適切にやっております」。まあ何回使ったことか。使うたびに野党からは攻められる。「政治家としての答えじゃないじゃないか」とさんざん怒られている。ただ法相が法を犯してしゃべることはできないという当たり前の話です。「法を守って私は答弁しています」と言ったら「そんな答弁はけしからん。政治家だからもっとしゃべれ」と言われる。そうは言ってもしゃべれないものはしゃべれない。

【共同通信】

特に最後の2、3文。これは当然と言えば当然のことで全然間違っていないと思う。それとも法を犯してまで法相に話をさせるのが日本の政治であり、マスコミなのか?という点。例の二つの回答についても過去の法相も皆使ってきた言葉だろうと。これをいちいち叩く理由が分からない。柳田氏にはいつかその発言を口にする法相が出たときに突っ込んでもらいたい。

いずれにしても、ネタになるような発言を軽はずみにした本人のレベルの低さや、そういう軽卒な人を閣僚に置く今の政権は問題だとは思うわけだが。都合の良い偏った報道しかしないマスコミもいかがなものかと思う。


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