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年々読書から遠のいている気がするけれど、今年はさらに顕著に。今年前半に読んだ本はわずかに4冊。積読は減るどころか増え続けている。読みたいと思って買っているのに読まないのはなんなんだろうかね。

スノーピーク「好きなことだけ!」を仕事にする経営」 山井 太(著)

スノーピークのテントを買ったから、というわけではなく、読んだのはそれよりも前。逆にこれを読んだからスノーピークのテントを買ったわけでもない。それはともかく、書いていることは結構面白くて、スラスラと読み終えることが出来た。経営者本にしては内容が緩いし、アウトドア啓発の力もそれほどなく。不思議な位置付けの本。

スノーピークという会社がどう歩んできたか、燕三条という町がどういう町か、オートキャンプがどう流行ってきたかを知るには良かった。(ただし、スノーピークの視点)

ただ、気になる文章もいくつかあったので、一部を備忘録的にメモ。(必ずしも賛同しているわけではないけど)

アウトドアを楽しむこと自体、簡単に言えばわざわざ原始的な生活をすることである。普段の仕事や生活が知的でないと、アウトドアの面白さを理解できない側面がある。
(「Chapter1 熱狂的なファンが支える」より)

情報とは自分に発信値からがないと受信できないものだと思っているからだ。
(「Chapter5 星空の下で五感を研ぎ澄ます」より)

これからのビジネスで付加価値を高めていくにはモノからコトへの転換が必要になるのは間違いない。単純に製品を提供するだけでなく、それにまつわるサービスも含めて総合的な満足や楽しさを届けようという考え方だ。
(「Chapter5 星空の下で五感を研ぎ澄ます」より)

スノーピークが目指すべき方向性は嫌いではないけど、最近ブランドとしてちょっと下り坂にいるようにも見える。一時のAppleしかりで、こだわりとニーズの差が広がっているし、少しだけブランドのポジションを勘違いしているようにも見える。5年後くらいにスノーピークがどういうブランドになっているか、そのときこの本に書いていることと同じように変わらずに進めているか、ユーザとして楽しみなような気がする。

64(ロクヨン)」 横山 秀夫(著)

ちょうどNHKでドラマ放送されたので、映像で見ても良かったかも。横山秀夫の作品は何作も読んでいるが、ちょっと自分には合わないかも。毎度ながら主人公の心情描写が多いんだけど、移入できないというかまわりくどいというか。どの視点でこの作品を楽しめば良いのかが分からなかったかな。

というのも、複数の問題が散乱かつ同時的に起きているが、どれも綺麗に拾っていない。小説は必ずしも綺麗な解決を読者に見せる必要はないと思うけど、それにしても中途半端。ミステリーとして見ても、解決に向かって大きく動いているのは主人公以外の世界でのこと。

横山秀夫作品を推す後輩が職場にいるので、一度面白さをどこに置いているか聞いてみようと思う。

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水辺にて」 梨木 香歩(著)

カヤックに乗ってみたくなる。カヤックから想像するアクティブな風景ではなく、表紙の通り、静かな時間の体験を綴ったエッセイ。楽しそうとかではなく、四季折々その静かな時間を満喫している贅沢さが伝わってくる。この時間に憧れる。カヤックを初めてみたい。どこから手をつけるのか分からないけど。長瀞あたりの体験コースに行けば良いのだろうか。

うずまき猫のみつけかた」 村上 春樹 (著)

村上春樹の小説はだいたい読んでいるがエッセイはほとんど手つかずだった。だいたいエッセイというのは相当その作家が好きだったりしないと手に取らない気がする。そこまで好きな作家というわけではないので、当然手に取ることはないわけで。

だが年始からスタートした読者の質問に答える「村上さんのところ」のやり取りを読んでいると共感できる点が多かったので、なんとなく手にとった感じ。村上春樹ってこういう人なんだ、てのを知るには良かった。印象も良くなる。

先の「村上さんのところ」は今月書籍化されるようなので、買っても良いかと思う。ちなみに自分がこのエッセイを買ってみようと思ったきっかけのやり取りは以下を読んだから。ちょうどBとお別れした直後だったから、色々と感じるところがあったのか、グサっときたのを覚えてる。

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