151129_1

秋になって少しだけ読書ペースが戻ってきた。今年は前半の半年間でたった4冊だったが、ここ3ヶ月で7冊。現在も3冊が並行で進んでいるので、最終的には年間15冊前後になるんじゃないかな、と。2013年が24冊、2014年が12冊なので、まぁ、昨年並みだけど、昨年同様少なかったな。

しんがり 山一證券最後の12人」清武 英利(著)

著者は読売ジャイアンツの球団代表時代にナベツネに反旗を翻したことで有名な清武氏。清武の乱はさておき、ジャーナリストとしては一線級で、この一冊は特に素晴らしい。1997年の山一證券の破綻とその後に転職し去っていく人の横で最後まで戦った(調査を続けた)メンバーの記録。

舞台は「場末」と呼ばれた業務管理本部。今で言うと内部監査部とかがあればそれにあたりそうな部署。場所は、地下鉄東西線の木場駅から東西線の車庫に向かって歩いたいった塩浜エリアにある塩浜ビル(今は外見はそのまま、中は某通信事業社のデータセンタだったはず)。そこに在籍した山一の主力”とされなかった”面々による廃業に至った原因の全解明の記録。「事実は小説よりも奇なり」とはまさしく。読んで満足があった一冊。

マンガでわかる! マッキンゼー式ロジカルシンキング」赤羽 雄二 (著), 大舞 キリコ (イラスト), 星井 博文 (その他)

ロジカルシンキングとはなんぞや、がとても分かりやすい。漫画をうまく使って説明し、その後文章でポイントを補う作りなので、かなりスラスラ読める。難しく考えずに普段やっていることを習慣化するように訓練していく。ロジカルシンキング、論理的思考に関する本はたくさんあるだろうけど、その本を理解しきれなかったら意味もないわけで、まずは理解できること、そしてやることが大事。

佐藤可士和の打ち合わせ」佐藤 可士和 (著)

すごいざっくりまとめると、準備が大事、無駄は省くべき、全員が本気で取り組もう、ってこと。

著者の「超整理術」は好きな本だし、そのあと講演で話を聞く機会もあり、この人に対しての印象は良い。「超整理術」にはそれなりに影響され、数年前に読んでからは会社のデスクが散らかった事がない。そうやって考えた場合、今回の本からの影響で打合せやその意識が変わるかは若干微妙。というより表現の仕方は違えど、似たような姿勢で打合せをしていることもあるな、と。ただ、徹底は出来ていない。あと得る物も少ないがとりあえず参加している定例会議があるのも事実。色々と考えながら取り組んでいきたい。なんとなく最近マンネリ化してるな、てときにポイントをピックアップして読むと良いかも。

へーっとなったのは、週1の特定の打合せの議事録を勉強がてら英語で書くというアイデア。こっそりやってみようかと思う。

ぼくたちに、もうモノは必要ない。」佐々木 典士 (著)

本屋でたまたま見かけてパラパラめくり巻頭のキレイな写真が良い印象だったので買ってみた。片付け術や断捨離はもちろん知っているが、ミニマリストという言葉は知らなかった。(でもここ一ヶ月くらいテレビとかでもやたら目にするようになった)

読んで思ったことは色々あるが、良い点として著者がやりきっているっぽいこと。何かをやりきるのは意志、継続力含めかなり大変なので凄いと思う。
物を持たなくなったことで変わったように書かれていたが、そうではなく一つのことをやりきっていてそれが他人から承認されたことが変われた理由かな、と。だから、物を持たなくなったからではなく、きっとこれが仕事であれ趣味であれやりきっていればなんらかの形で承認欲求は満たされたのではないかな。

残念な点は、とにかく文書がミニマルでなく、さっきも書いてた、て表現が繰り返される点。あとスピリチュアルというか精神論と想像だけで書いてることが多い点。このあたりは著者が物書きじゃないから仕方ないのだろうけど、人によっては決して気持ち良く読める本ではないかも。

いずれにしても、ミニマリストでないからこの本を手に取り読んだわけで、ミニマリストを「感謝の気持ちを持てること」に結論付けてる著者は、ミニマリストでない人(本を買う人)にこそ感謝しなくてはならない。それと、著者の考え方では、知らないことや知らない分野の見識を高める・広めることの可能性までも狭めているかもしれない。それが良いかどうかは人それぞれなんだろうけど。

自分とは考えが違うけど、こういうのもあるんだな、と勉強にはなったし、少しは物を減らすのも悪くないなくらいには感じられたのでそれはそれで良かった。

151129_2

マンガでわかる! 幼稚園児でもできた!! タスク管理超入門」岡野 純 (著)

Amazonのレビューが賛否両論どっちかに振り切れている感じなので、あまり参考にならないが、kindleだと200円なので、値段を考えると全然十分。もう少しコツとか手順とか落とし込んで欲しいな、という気もするけど。ただ書籍で1,080円出すのはちょっときついかも。

こういう本は、あっという間に読めるので、そういう良さがある。その短い時間で1つくらい気付きあれば良いくらいの気持ちで読むのがちょうど良し。

無性に壁が登りたくなる!頭脳系スポーツ ボルダリング(入門)」辻 アラタ (著)

技術的な要素は多くなく、どちらかと言うとボルダリングが気になっているけれど、やったことがない人が、初めてジムに行くための本。短いのですぐに読める。
この本にも書いているけど、とにかくやってみることが一番良いと思う。それと、その初めての時は必ずジムの人にレクチャーしてもらうか、やりこんでる友人と行くことが大事だと思う。初心者同士でなんとなく交互にやってみる、が一番ダメかも。

どうでも良いけど、入門的な本が多いな、最近。

転職後、最初の1年にやるべきこと」秋山進 (著), 丸山貴宏 (著)

転職後1週間、1ヶ月後、3ヶ月後、半年後、1年後に起こりそうな出来事やそれへの対処法をまとめてくれている。割とドライな内容。まだ転職の経験はないから分からないが、きっとこれが現実の大半だと思う。だから、今これを読めたのは良かったと思うし、定期的にポイントだけでも確認したい。

自分はkindle版を読んだが、kindle版は安い上にクライス&カンパニーの丸山貴宏社長との対談も追加されているので少しだけお得な気もする。でも、対談内容より本題の内容の方が明らかに有用そうで、そこは書籍版も内容は同じみたいなので、手に取るのはどちらでも良いかと。

書籍としては2004年の物なので、インターネット全盛期より少し前の時代に書かれた物だと思っておいても良いかも。ただ、そこはあまり”教え”には関係ないけど、そういう時代の物だという点を知っておけば、なんかちょっと古いな、と思う点があっても気にならない。どんな本でもそうだと思うが、自分で必要なところだけを自分でチョイスしていけば良いと思う。一冊全てを肯定し受け入れられることなんて、普通はないと思うし。


Similar Posts (Posts or dissimilar):関連するようなしないようなエントリの抜粋