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今年は本を読まなかった。昨年24冊だったが、今年は12冊。購入は倍くらいあるので積み増しているだけ。前半分をまとめたときにも書いたけれど、今年は英語やITサービス系の勉強に空き時間を充ていたため仕方ないところはある。結果として、つい先日目標にしていた資格の取得が出来たので、読書を我慢した成果は一応あったのかな、と思っている。

茶の本」 岡倉 天心(著)

“日本人の心をまとめた一冊”とか”自分を見つめ直す一冊”とか色々と好意的に、かつ高く評価されている名本。個人的には”日本人がどう”とか、っていう考え方はあまり好きではない。そして、書かれていることは実は「人としてどうあるべきか」であって「日本人としてどうあるべきか」ではないと感じている。いずれにしても、心にゆとりを持ち、万事にうまく適合していくことを論じた一冊として、とても素敵な本だと思う。
ページ数も多くないし、Kindle版は無料なので、未読の人には一読してもらいたいと思える本。Kindleはスマホアプリもあるのでそれで十分だと思う。序盤が堅苦しいのでページが進まないかもしれないが、そこを乗り越えればあとはサラサラと読み切れるので、是非。

点と線」 松本 清張(著)

東京駅100周年に関するTV番組を観たことをきっかけに思い出し読んでみた。今読むと時刻表トリックも特別すごいわけではないが、これが半世紀以上前に書かれたと考えると凄い作品だと言える。むしろ当時の時代背景をどれだけ想像しながら読めるか、読者の想像力・時代復元力を問われているように思う。長距離列車はそれほど速くない、飛行機も今ほど普及していない、電報が主の連絡手段、そういう感覚。そこに身を置いて、いやいやそこは気付けるでしょ!みたいな気持ちにならずに読む事が出来るのであれば、とにかく面白い。日本の推理小説の歴史を変えた一冊。確かだな、と思う。何度か映像化されているようなので、それも機会があれば観てみたい。

アカマイ 知られざるインターネットの巨人」 小川 晃通(著)

著者は「Geekなぺーじ」の中の人。その人が書いたアカマイについての一冊。アカマイ=会社名、っていうことを知らない人が多いんじゃないかと思う。SEの仕事をしていても同様かも。ISPや通信事業者で働いているか、アカマイのクライアントになるかで初めて知る名前かも。ASやBGPといったテクニカルな点を分かりやすく、でも技術本にならないように書いてくれているので、アカマイを知るよりもインターネットの仕組みを知るための本として、なかなか良いのではないかと思う。誰でもインターネットを使う時代において、インターネットの仕組みは意外と知られていない。技術に興味がなくても、それを知るために、そしてそのレイヤ上でアカマイという会社が何をしているか、そしてそういうビジネスモデルがあるのだ、ということを知るに貴重な一冊だと思う。

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東京の寺」 徳永 隆平(著)

東京蚤の市でたまたま見つけた本。昭和48年発行なので、自分が生まれるよりも結構前。写真も地図もやはり時代を感じる。だが、その寺の背景はもっと昔の歴史の世界、今書いてもほとんど同じ内容になるのではないかと思う。知っている寺、訪れたことのある寺も多く、親近感も手伝ってどんどん読めてしまった。寺や神社は、ジオキャッシングをしている人には割と訪れることが多い場所でもある。なので、ジオキャッシングとからめて改めて行ってみても良いな、と。今となっては古書でなかなか手に入りにくいわけだが、最近読んだ本では一番好きな本かもしれない。

入社10年目の羅針盤」 岩瀬 大輔(著)

ライフネット生命の岩瀬さんの本。バカ売れした「入社1年目の教科書」の続編のような扱い。あの本も若手に指示するときに役立つ点があってポイントを抜き取ると使い勝手が良い印象。割とこの方の本は納得できる箇所が多いし、「そうそう同じこと考えてた!」って共鳴できるところも多い。その反面、どの書籍も似たようなことが書かれている。ある意味、スタイルがぶれずに一貫しているってことなんだろうけど。だから(自己啓発ジャンル本に限っては)何冊も読む必要はないかな。それよりも、この人の講演があれば聞きに行ってみたい。直接話しを聞くのと聞かないのでは全然違う。これは佐藤可士和さんや西成活裕さんの講演を聞いて思ったこと。他人がどう評しているかではなく、自分がどう感じるか。とかくネット中心になると、その直接感がなく、いつの間にか赤の他人の意見を信じてしまうことがある。なので、まず直接目にしてみたいな、と思っている。

暴かれた9.11疑惑の真相」 ベンジャミン・フルフォード(著)

9.11テロがアルカイダの仕業ではなく、米国の自作自演という説をいくつかの証跡をもとにまとめた一冊。ネット上にあるバラバラの(それでいて膨大な)情報から信憑性が高く感じられそうなものを一冊にまとめた、という感じ。だけど、必ずしもトンデモ本のようなものではない。2001年が既にインターネット時代に突入していたことにより証拠が昔より残りやすくなっていた、ということなのかも。
元々、自分が興味を持ったきっかけは、この本にも書かれているが、あの倒壊したツインタワーから少し離れたところにあったWTC7(世界貿易センター第7ビル)が飛行機もつっこんでいないのに突然崩壊しているという事実を聞いてから。この本にも結局正解は書かれていないが、WTC7についてもかなりのページ数が割かれていた。結局のところ何が事実かは現時点では分からない、全てとは言わなくてもいくつかは事実に近いのかもしれない、と思うことはある。極端に批判することも全面的に信じることも難しい。案外、事実はエドワード・スノーデンやWikileaksが表にしてくれるのかもしれない。それを報道できるメディアがあるのかは分からないな、と。
何よりも、この本の中でも使われているヒトラーの言葉「嘘は大きければ大きいほど大衆は信じる。 大衆は愚かであるので規模の大きな嘘など想像が出来ないからだ」が妙に印象に残った。

来年はもっと本を読みたい。まずは積み読を消化することに専念してみようかな。面白そうと思って買った本なんだから、とりあえず読まなくてはね。


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