夢をかなえるゾウ」 水野 敬也(著)

先月読んだホリエモンの本の中でも書かれていたこともあって、今更ながら、2007年のベストセラー自己啓発本を読んだ。売れた理由がなんとなく分かる。何より読みやすい文体が人気の理由かも。実際、自分も一日で読み終わったくらいだし。そして確かに他のこの手の本や成功本に比べるとその気にさせてくれるように思う。特に目新しいことは書かれていないし、極端に言えばどこかで見たことあるぞ、ということがほとんど。実際に、本の中の一節で、

「ワシが教えてきたこと、実は、自分の本棚に入っている本に書いてあることなんや。ワシの教えてきたことには何の目新しさもないんやで」
「え・・・」
「ホンマやで」

という会話のシーンがある。まさにそういうことで、結局行動に移すことの大事さ、難しさ、そして何よりそれを継続することの難しさをちゃんと書いている。それでも、行動に移そうという気にさせてくれる感じはある。それと、本書の中で主人公と読者に課されるいくつもの課題とは別に会話の中で、自分でもハッと気が付かされる点がいくつかあった。そのあたりが結構プラスかも。あー、まだまだ考えること、やることたくさんあるよな、て再認識させられる感じ。嫌いではない。自分を見直すために、忘れた頃にブックマークをいれたページだけつまみ読みしても良いかな、と思う。

「夢」っていうと敷居が高くなると思う。「あなたの夢は何ですか?」と聞かれてすぐに答えられる大人はそう多くないと思う。だから「夢をかなえる」を「やりたいことをやるため」と解釈するともう少しイメージが楽だしやる気にもなる。

これまでに何度も、何かを頑張ろうとか今から初めようと思ったことがある人、だけどなかなか出来なかった人にとても向いている本かも。資格勉強をする、と言って参考書を買っても2、3日読んだくらいで終わってしまう人、受験料を払ったのに色々と(自分に向けた)言い訳を作って受験すらしない人。夢がどうのこうのよりも、そういう目の前の一つ一つのいわゆる自己啓発的なタスク(誰かに強制されているわけではない)をクリアしていくための取り組みを書いてくれている。

もう一つとても納得したのは、何かを始める、何かをやっていくためには必ず犠牲が伴うということ。等価交換を理解すること。これは自分でもここ数年集中的に勉強に時間を割いたときなどは感じたし、そうしないと大人の時間はコントロールしきれないと思っている。好きな本を読んだりテレビを観たり、ボーっとしたり、飲みに行ったり、子供と出かけたり、通勤電車でスマホ触ったり仮眠とったり。そういった取捨選択の権利を自分が持っているものについては、その余地があると考えられる。

夢をかなえる=セルフコントロールの習慣化、これなんだと思う。それを分かりやすく書いてくれているので肩に力を入れずに小説を読む感じで手に取ると良いと思う。

(年間目標に対して… 18/18冊・・・目標クリア)


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