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徹底抗戦」 堀江 貴文(著)
結局、ライブドア事件って何だったの?というとこを本人自ら書いた一冊。そもそもホリエモンを有罪と信じるか無罪と信じるか、読む側がどっちの立場かによる。前者の場合、これはやっぱり無罪かもと読者の意識を覆すほどの力はない、かといって後者の場合、まぁそうだよなー、という程度の感じ。自分は元々後者なので、改めて同感というか同情というか、まぁ特筆すべきほどのこともなくさらっと読んで終了みたいな。本人による執筆以外に新鮮なネタはないので、ある種、ホリエモンが好きな人向けなのかな。
それより、この事件、マスコミは視聴率や発行部数のためにやりすぎだったんじゃないかな。そういうやり方は昔からずっと変わらないわけで、これを読んで、やっぱりひどい報道だったんだなー、って。マスコミの報道もあれだが、それを鵜呑みにするような視聴者もどうかと思うわけだけど。あと被害者(損失出した人)ともずっと法廷で争っていて、最近も被害者側が勝訴していたけど、あれもどうかと思う。そもそも、審査・上場管理をしている東証がしっかりしていれば、という考えに被害者がならないのも不思議。それ以前、そもそも論で、投資は自己責任だと思うけど。
個人的に、ライブドアは今でこそ組織も仕事内容も事件当時と全然違っているが、あの当時すごい会社だと思った。あの事件当日・翌日のアクセス数に対して、ページがダウンすることなく通常のレスポンスを続けたのだから、その設備投資や技術力には正しく優秀なものがあったのではないかと。
臨場」 横山 秀夫(著)
たまたま観たドラマ(第二話だった)にはまって毎週ドラマ「臨場」を観ているが、その原作。ドラマはドラマで、原作は原作で面白い。短編構成なので、基本的にさくさく読める。キャラがしっかり立っている作品なので、シリーズにしても人気が出るように思う。
黒猫の三角」 森 博嗣(著)
森作品のいわゆるVシリーズ1作目。はじめて読んだんだけど、正直若干物足りない。動機が曖昧に感じたからかもしれない。ただ、単純な誰でも理解できる動機ばかりが答えである必要もないし、理解できないように敢えてしたのかもしれない。シリーズ数冊を1つの作品ということで考えると、このあと数冊出ているVシリーズを読んでいくことで結局はまるのかもしれないがどうだろう。
まどろみ消去」 森 博嗣(著)
森博嗣初の短編集。初って言っても発売はだいぶ前(97年)だけど。1つ1つの短編が短めなので、1冊に11編も入っていた(メジャーなとこで比較すると、伊坂幸太郎の「死神の精度」は6編、東野圭吾の「探偵ガリレオ」は5編)。S&MシリーズやMLAを読んでいたので楽しめたが、もし森作品を読んだことがない人がこの本を1冊目に選択するとしたら、それはやめた方がいいかも。森作品にしては珍しく、1冊通してファン向けな作りな気がする。何はともあれ自分は楽しかった。



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