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タモリのTokyo坂道美学入門」 タモリ(著)
自分も急な坂ばかりの街で育ったせいか坂に愛着がある。可能であれば、坂のあるとこに住みたいとよく思う。ところが東京には坂があまりない。そう思っていた。が、実際は違うということはこの本でも分かるし、ジオキャッシングでも体感出来る。体感という点では自転車に乗ると無意識のうちに感じているのも正直なところかも。そもそも東京には「渋谷」「四ッ谷」と「谷」が入る地名が多い。それ自体が高低差を表しているはず。だから大雨に対応できない街があるわけで。
本書は読み始めこそ、地域が狭く感じるがそれはそこにしか坂がないからだと思われる。他にも坂はあるがまわりのスポットも含めた話となると難しい。都心の散歩が出来る美しい坂を知るための貴重な一冊と思う。(ある種、タモリ倶楽部的な本)
ゴールデンスランバー」 伊坂 幸太郎(著)
伊坂作品は実はこれが初。前々から読もう読もうと思っていたがなかなか機会がなく。まず、読んで最初の感想というか率直に感じたのは、予想外にすっきりした読了感。それはなかなかのものだと思う。ただ読了後にAmazonのレビューを見てみたが、伊坂作品の集大成という意見が目立った。これが集大成だとしたら、他の作品は読む気にならないが、まぁそれを見極めるためにも、他の作品も読んでみようと思う。同様にAmazonのレビューで「なぜ彼が追われるのか」「黒幕は?」と納得できない、という意見もちらほら。これはこれでおかしくて、そもそも全ての謎を明快に解き明かすことを期待というより絶対条件と思い込んで読んでいる人はどうかと。勝手に解き明かしてほしいと思っているわけで、それに答える義務はないと思う。明快にしない変わりに、すっきりする読了感で十分ではないかと(あ、そういう人はすっきり出来ないのか)。
個人的には各賞(本屋大賞やこのミス)を総ナメにしたのにはちょいと疑問が残る感じ。一通り賞レースを制している実績が、直木賞に繋がるとしたら・・・。



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